製鉄実験(2) 本番

熔鉱炉での製鉄の話、続き。
炉を乾燥させた翌日、本番当日のお話。

炉について

炉の乾燥時に、想定より炎が上がったので、燃えるものから離して炉を別の場所にくみなおして実験を行った。
時間の関係上、築炉は、これまでのように耐火セメントは使わず、単に組み上げるだけにした。

砂鉄について

今回使用したのは、2010/09に北海道旅行でとってきた砂鉄がメイン。
北海道、長万部(おしゃまんべ)*1でとった砂鉄を使用した。

横浜->大洗(茨城)--(フェリー)-->苫小牧--(以降電車)-->長万部->青函トンネル->...

長万部駅から海までは徒歩すぐで、砂浜は砂鉄交じりなのが一目でわかるほど。
長万部は内浦湾、通称"噴火湾"という湾に面している。
この湾の周りでは良質の砂鉄が取れるということを事前に聞き、取りに行ってみた。

製鉄の様子

  • 送風中(写真は電池式フイゴ)

写真には写っていないが、手まわし式のフイゴと併用して炉に送風し温度を上げた。
なお、燃料はすべてバーベキュー用の木炭。

  • 炉全体に炎がいきわたり、炉の上端からも炎が上がってきた

  • 温度がかなり上がってきたところ

  • 炉を崩して鉄を取り出すところ。

画面ではわかりにくいが、手前のT字型の煉瓦はもともと別の煉瓦で、製鉄時に高温になったため溶けてくっついた。

  • 赤熱された煉瓦

ここまで温度が上がったのは初めてでかなり驚いた。
炉を壊すときにもまだ煉瓦がかなり鈍く赤く光っていた。
写真左の煉瓦下端が赤くなっているのが見て取れる。

  • 動画

3番目のが一番わかりやすいかも。


成果/採れた鉄

  • 採れた鉄の塊

今回ほど熔けた鉄が取れたのは初めてでかなり興奮した。
最初は鉱滓/スラグのような、鉄ではない"熔けた何者か"が取れたと思っていたが、写真にあるように磁石にくっつけたら引っ付いてものすごく感動した!!
写真奥にあるブロックは煉瓦の壊れた断片。鉄が煉瓦に陥入して、一体となっていた。
鉄だけ剥がし取ろうと叩いたら、煉瓦が壊れて断片となった。

  • 多少キラキラしてる。玉鋼はこれかな?

日本刀を作るには、玉鋼がいる。
玉鋼は、採れた鉄のうち一部しか取れなくて、キラキラしているという。
画面中央の鉄は、キラキラしていたのでちょっと期待が高まる。
蛍光灯の反射の所為かもしれないが...。

  • トンカチ/ペンチで叩き割ってみた。

うーん...おそらく、玉鋼と思われるものは残念ながら見つからなかった。

反省点/次回に試してみたいことについてはまた日を改めて記述する。

*1:まんべ君で一躍有名になった、あの...